北の国から

お届けする雑記

映画「ポンヌフの恋人」を観た。感想・レビュー。

先週「ポンヌフの恋人」という映画を観ました。
先月は全然映画を観なかったけれど、今月は結構観ました。

 

今までタイトルすら聞いた事がなかった。
ツタヤのオススメ!!みたいな感じでピックアップされていたんですよね。それで知る事ができました。

 

あらすじはよくあるボーイミーツガールもの。

フランスのポンヌフ橋で出会ったホームレスの青年アレックスと、失明の危機に居て恋人と別れたばかりで失意の底にいる家出の女画学生ミシェルの恋模様を描いた作品。

 

あらすじだけ読むとなんか爽やかな感じがするじゃないですか。

観た感想はね、フランス映画は一筋縄じゃねぇなって思った。(?)

気だるい感じがフランス映画らしくて、一部ぶっ飛んでるところがアメリカンだなって。

無理やり日本人の監督に例えたら岩井俊二監督の作品っぽい。(あくまで個人的な意見ですー)

「リリイシュシュのすべて」を観た後の感覚に似ていた。

この「ポンヌフの恋人」は主人公達は結ばれるハッピーエンドなんですけど、空気感というか雰囲気が似ていた気がします。

 

ホームレスの青年アレックスと交流があるハンスという老人がいるんですけど、昔の妻に似ているという理由からか、しばらくホームレスとして暮らす事になったミシェルには厳しくも優しい。

ホームレスになる前は警備員をしていたという理由であらゆる施設の鍵を持ってため、ミシェルに絵を見せてあげるために夜中に美術館に一緒に忍び込むんですが、このシーンがよかったですね。

(鍵は退職する時に返さなかったのだろうかという疑問は野暮なのか。合鍵を作っていたのだろうか。)

 

花火のシーンが何かと有名らしいですが、個人的にはこっち。

ハンスがミシェルに言う「何があっても生きろ」みたいなセリフがよかった。

アレックスとミシェルの2人がハンスの睡眠薬を盗んで、それを利用し街で盗みを働くというとんでもねえ一幕があるんですけど、睡眠薬がなくなったために精神が不安定になったのか何らかの心境の変化があったのか理由はわからないけれどハンスは亡くなってしまう。

 

このシーンがあまりにもあっさりとしていて不思議なんですが現実なのかどうかわからない。

この前にもミシェルが拳銃で人を撃つ場面があるんですけど、弾の数は減っていなかったり白昼夢のような描かれ方があるのでよくわからない。

 

「生きろ」と説いた本人が自ら死を選んでしまったのだろうか?と虚しい気持ちになる。

 

登場人物達の憂鬱にうっかり引きずり込まれそうな気がして、怖いので何度も繰り返し観たいとは思えない。

ただ、この先自分ではどうしようもない、人生そのものすら投げ出したくなることがあるかもしれない。逆に平和すぎて毎日が退屈にしか思えなくなるかもしれない。

本当はそうならないのが一番なんですけど、そんな事になったらもう一度観てみたいと思う。

どんな事があっても、泥臭くても生き抜くべきだと思えそうだから。

 

当初の結末にヒロイン役のジュリエット・ビノシュが納得できなかったため、監督に対して変更を要求した結果のエンディングらしいけれど、本来の展開だったらこのような感想は持てなかったかもしれない。

 

最後に船の甲板の先端に立つタイタニックみたいなシーンがある。

映画史を紐解いてみるとこのシーンは受け継がれしものらしいけれど、タイタニックの監督が影響を受けたのかもしれない。

制作費が30億円(!!)を超えてしまったり色々な逸話がある映画。

ぜひ一度ご覧ください。

 

どうでもいいけど、ジュリエット・ビノシュ芳根京子は似ていると思った。